10/14/12

Market Quality Research Project Workshop “Global Economy In Turmoil” (2012/10/14)

本日、千葉経済大学において当研究プロジェクト Market Quality Research Project 主催のワークショップ『Market Quality Research Project Workshop “Global Economy in Turmoil”』がIEFS Japan,ならびに先端経済理論の国際的共同研究拠点との共催にて開催されています。

Session Speaker Title
#0 Hiroshi Fujiu and Makoto Yano Opening Address
#1 Hiroshi Fujiu
Chiba Keizai University
Two-Sided Transfers from Adult Children of Elderly Persons
#2 Fumio Dei
Kobe University
Discrete Demand Shift Dumping
#3 Jiawei Chen
UC Irvine
How Do Switching Costs Affect Market Concentration and Prices in Network Industries?
#4 James R. Markusen
University of Colorado, Boulder
Per-Capita Income as a Determinant of Cooperative and Non-Cooperative International Trade Policy
#5 Hodaka Morita
Australian School of Business, UNSW
Choice of Product Architecture and Labor Turnover
#6 Rui Ota
Chiba Keizai University
‘Law of Rising Price’ in an Imperfectly Competitive Declining Industry
#7 Makoto Yano
Kyoto University
Price Competition or Price Leadership

千葉経済大学 藤生先生による挨拶および第1セッションopening address by prof fujiu

10/6/12

Market Quality Workshop第7回 が開催されました(2012/10/4)

平成24年10月4日に京都大学において,第7回Market-Quality Workshopが開催されました.

今回はAvinash K. Dixit先生(Princeton University),大野由夏先生(北海道大学),佐藤健治さん(京都大学)に研究報告をしていただきました.ここではDixit先生と大野先生の報告について紹介します.

Avinash K. Dixit, “A Real Options Perspective on the Future of the Euro.”

近年ユーロ圏の解体が現実味を帯びてきており注目が高まっています. 本研究ではユーロ圏の解体に関して,リアルオプションの手法を用いて分析がなされています.

投資を行う際に,「今投資すべきか或いはずっと投資すべきでないか」という選択だけでなく,「いつ投資するか」という選択肢も考慮される必要があります.リアルオプションでは,この「いつ投資するか」,つまり「より良い機会を待つ」という選択肢の価値も考慮に入れています.これは投資に費用がかかり,かつ投資が不可逆である場合に有効な手法です.

ユーロ圏の解体は,まさにリアルオプションによる分析が有効な問題です.というのもユーロ圏の解体には多大な費用がかかり,かつ一度解体すれば再度形成するのは困難だからです.

具体的には,各国の状態変数(理想的なマネタリーターゲットとの乖離)が各国の確率的ショックだけでなくユーロ圏全体の確率的ショックにも依存すると仮定され,ユーロ圏の解体が最適停止問題として定式化されています.結果として,解体を待つ選択肢の価値はゼロではないもののあまり大きくはなく,ユーロ圏は「今解体するかずっと解体しないか」の選択に限定したところで,さほど大きい経済的損失は発生しないと言えるようです.

Yuka Ohno, “International Harmonization of the Patent-Issuing Rules.”

特許制度は国によって異なります.米国ではfirst-to-inventと呼ばれる,先に発明した者が特許を取得できる制度が採用されていました.他方,米国以外では,first-to-fileと呼ばれる,先に特許出願をした者が特許を取得できる制度が採用されており,こちらが標準的な制度として認識されています.近年,米国でもfirst-to-fileに制度を移行しました.また,制度が一致することをもってinternational harmonizationと呼ばれます.

本研究では,この制度移行による影響が分析されています.特に制度移行がR&Dのインセンティヴに与える影響まで踏み込んで議論がなされ,first-to-fileの制度に移行することで多くの場合にR&Dのインセンティヴは低下することが報告されました.

10/3/12

シンポジウム「過去の文明・今日の文化の課題」(2012/10/20)

本プロジェクトが参加する統合複雑系科学国際研究ユニット主催のシンポジウム「過去の文明・今日の文化の課題 ~マヤ文明とモンゴルを例として~」 が,以下のとおり開催されます。皆さまのご参加をお待ちしております。
サンタ・フェ/京都シンポジウム・特別レクチャー「過去の文明・今日の文化の課題 ~マヤ文明とモンゴルを例として~
2012/10/20
日時:平成24年10月20日(土)場所:京都大学総合博物館・講演室とロビー
プログラム
13:00~13:10
開会挨拶:大野照文(総合博物館館長)
13:10~14:30
ジェリー・サバロフ(サンタフェ研究所所長)
「マヤ文明の衰退から何を学ぶか」
14:30~15:10
青山和夫(茨城大学教授)
「マヤ文明の起源を求めて:セイバル遺跡の再調査」
15:25~16:45
ポーラ・サバロフ(サンタフェ研究所教授)
「モンゴルにおける封建主義から民主主義」
16:45~17:15
加藤美典
モンゴルの伝統楽器馬頭琴の演奏
17:15~19:00
懇親会・ふるってご参加下さい(参加費1,500円当日徴収)

★ポスター (PDF/272KB)
主催:統合複雑系科学国際研究ユニット・京都大学総合博物館・平成24年度統合地球環境研究所インキュベーション研究(IS)グローバリゼーションを終わらせる「新時代の生き方作法」リテラシーの構築-新京都(みやこ)モデルの提案―チーム後援:京都大学経済研究所申し込み不要:当日先着80名まで参加して頂けます。
(講演の一部は英語ですが、日本語の逐語訳があります)

お問い合わせ先:京都大学総合博物館・事務室075‐753‐3272

10/3/12

サンタフェ/京都 シンポジウム “複雑系科学への招待” (2012/10/19)

本プロジェクトが参加する統合複雑系科学国際研究ユニット主催のシンポジウム,サンタフェ/京都 シンポジウム “複雑系科学への招待” が以下のとおり開催されます。本プロジェクトからは三野和雄教授の講演が予定されています。
皆様のご参加をお待ちしております。
サンタフェ/京都 シンポジウム “複雑系科学への招待”
2012/10/19
日時:平成24年10月19日(金)場所:京都大学理学研究科セミナーハウス
プログラム
13:00~13:10
挨拶:
淡路 敏之 (京都大学理事)
中村 佳正(学際融合教育研究推進センター長)
座長:村瀬 雅俊(京都大学基礎物理学研究所)
13:10~13:50
ジェリー・サバロフ(Santa Fe 研究所)
“The Santa Fe Institute and the Study of Complex Adaptive Systems“

座長: 杉山 弘(京都大学大学院理学研究科)
13:55~14:25
岡 二三生(京都大学大学院工学研究科)
“Visualization of localized deformation of unsaturated sand using micro-focus X-ray CT and stability during infiltration“

14:25~14:55
渡辺 宏(京都大学化学研究所)
“Complexity and Simplicity in Polymer Dynamics“

座長: 福山 秀直(京都大学大学院医学研究科高次脳機能総合研究センター)
15:05~15:35
小林 哲生(京都大学大学院工学研究科)
“Binocular Rivalry: A key phenomenon to explore brain mechanisms of consciousness“

15:35~16:05
山内 淳(京都大学生態学研究センター)
“Relationship between payoff function and evolutionary dynamics in evolutionary cooperative game“

座長: 吉村 一良(京都大学大学院理学研究科)
16:15~16:45
大野 照文(京都大学総合博物館)
“Reunion of human and natural science: a view from university museum“

16:45~17:15
三野 和雄(京都大学経済研究所)
“Sunspot-Driven Business Cycles in a Global Economy“

★ポスター (PDF/338KB)
主催:京都大学学際融合教育研究推進センター統合複雑系科学国際研究ユニット/京都大学経済研究所参加申込方法:入場無料
-「シンポジウム参加希望」と明記し、(1)氏名(ふりがな)、(2)連絡先(メールアドレス、FAX番号、住所のいずれか)をお書き添えの上、メールまたはファックスでお申し込みください。
1.メール: symposium@kier.kyoto-u.ac.jp
2.FAX:(075)753-7157
お問い合わせ先:
 京都大学経済研究所 統合複雑系ユニット事務局

10/2/12

矢野誠,太田勝造,小松原崇史:第6回Market Quality Workshop(2012.09.19)開催報告

9月19日(水)に京都で特別推進研究「経済危機と社会インフラの複雑系分析」研究メンバーによる第6回Market Quality Workshopが開催されました.

◇矢野誠「経済危機と社会インフラの複雑系分析」

最初に特別推進研究「経済危機と社会インフラの複雑系分析」への現地調査ヒアリングが行われたことに対するコメントと今後のプロジェクトの進め方について説明がなされました.

そして,本ポータルサイトmarket-quality.netにおいて紹介されている漁業と市場の質が取りあげられ(こちらを参照してください),日本とノルウェーの水産資源の持続性に関する現状と制度の相違点が説明されました.そして日本の水産資源の持続可能な発展のために,経済学的な観点からどのような研究を行うべきかといった問題提起がなされました.

◇小松原崇史「家計パネル調査データでみる証券市場」

2004年度より毎年家計パネル調査が行われており, 2011年度より特別推進研究「経済危機と社会インフラの複雑系分析」もこの家計パネル調査に参加しています.(過去の記事も参照してください.)

今年度からは証券市場に対する意識調査が新たに追加されています.調査で使用した質問票と得られたデータの特徴についての解説を小松原先生にしていただきました.例えば,多くの場合に,証券市場のイメージは全ての世帯で類似しており,回答者の属性には影響を受けていない,といったことがデータからわかるようです.

またこれからの研究方針などを説明していただきました.詳細な実証結果は書籍・論文の刊行をお待ち下さい.

◇森大輔「国際法の経済学的分析の試み」

法律や制度といった社会インフラは経済活動を行う上で非常に重要な役割を果たしています.例えば所有権や契約法などは市場の効率性や競争上の公正性を保ち,経済が発展するために欠かすことはできません.また経済が発展するにつれて,これまで有効だった法律や制度が経済の非効率性を導き,その結果法律や制度を変更せざるを得ないという状況も生じます.このように法と経済学は相互に関係しており,経済学的な立場から法律を分析すること,法学の立場から経済を分析することは極めて重要です.

森先生は,ゲーム理論などを用いることによって国際関係法に対する経済学的観点からの解釈や評価を与えるといった研究をされています.今回は国際法の経済学的分析の試みについて紹介していただきました.国際法は,法律の中でも,経済学的分析が最も少ない分野の一つでまだまだ研究する余地があるようです.また国際社会の特徴により,国際法とは違った分析ができる可能性があると述べておられました.

◇太田勝造「経済危機と法: 社会調査・統計分析」

第4回Market Quality Workshop において報告された「法と災害」に引き続き(こちらを参照してください),今回は「経済危機と法」に関する研究において実施された社会調査(インターネット調査)についての報告をしていただきました.

市場と法,市場の健全性,またマネーゲームやリスクに対する選好,買いだめ行動について日本人がどのように考えているのかという観点から調査がなされ,この調査データに関する分析結果が紹介されました.その中で,法と経済の現実が乖離している場合には,経済の現実に合うように法を改めることに約6割の人が賛成しているという結果は興味深いものでした.

◇八木匡「理数系教育と所得格差」

経済が成長ためには法律や制度といった社会インフラだけでなく,R&Dが大きな役割を果たします.したがって日本において,R&Dを行う能力を持続的に発展させなければ経済を持続的に成長させることは難しく,日本の競争力が落ちることになるでしょう.R&Dを行う能力を高める要因の一つとして人的資本が挙げられます.この人的資本を高めるには教育,特に理数系教育が非常に重要になってきます.日本では,数学が将来役に立たない,文系学部出身者のほうが理系学部出身者よりも高所得であるという社会通念が持たれてきました.

八木先生たちの研究では,2000年からこれまで様々な調査を行い,データからこの社会通念が否定されるような結果が得られていることが報告されました.

また高卒・大卒間の賃金格差決定のメカニズムについて,マクロ経済の格差への影響,マクロ分析の教育政策への含意などが説明されました.

記事:天龍洋平

第6回Market-Quality Workshop
2012/09/19
日時:平成24年9月19日(水) 15時30分~19時00分場所:京都ロイヤルホテル&スパ 翠峰の間
プログラム
15:45~16:15
矢野 誠(京都大学経済研究所 教授)
「経済危機と社会インフラの複雑系分析~今後のプロジェクトの進め方:現地調査ヒアリングのコメントから~」
16:15~16:45
小松原崇史(京都大学経済研究所 特定助教)
「家計パネル調査データでみる証券市場」
16:45~17:15
森 大輔(熊本大学法学部 准教授)
「国際法の法と経済学の試み」
(休憩)
17:30~18:00
太田 勝造(東京大学大学院法学政治学研究科 教授)
「経済危機と法: 社会調査・統計分析」
18:00~19:00
八木 匡(同志社大学経済学部 教授)
「理数系教育の所得形成に与える影響に関する実証分析」

10/2/12

公開シンポジウム「人材育成と現代の教育」開催報告(2012/09/08)

2012年9月8日 (土)の午後1時半より6時まで、京都大学百周年時計台記念館の国際交流ホールⅢにおいて、公開シンポジウム「人材育成と現代の教育」が、特別推進研究「経済危機と社会インフラの複雑系分析」、京都大学経済研究所、京都大学統合複雑系科学国際研究ユニット、国際教育学会の共催で、盛況のうちに開催されました。

シンポジウムの様子

京都大学経済研究所の西村和雄特任教授による挨拶の後、第一部「教育と学び」では二つの研究発表が行われました。まず京都大学基礎物理学研究所の村瀬雅俊准教授が、創造性の発現過程における能動的・構成的な認識の重要性について指摘をされました。次に、千里金蘭大学の中林眞佐男先生が、英語の小中一貫教育についての実践報告を行いました。

第二部「現代社会と教育」では、首都大学東京の大森不二雄教授が大阪の教育改革について現状報告を行いました。次に、朝日サステイナビリティマネジメント社長の高田誠氏が、民間企業の人材育成の立場から、モラル(社会にとっての正しさ)、社会的な視点、情報発信力の重要性などを訴えました。

最後に、パネルディスカッションでは「待たれる女性理系研究者の活躍」をテーマに、パネリストにはパナソニック・社会文化グループマネージャーの小川理子氏、同志社大学社会学部の藤本昌代教授をお迎えしました。コーディネーターは同志社大学経済学部の八木匡教授につとめて頂き、パネリストの女性研究者としての経験・苦労話などを交えながら、今後の女性研究者・技術者の育成・進出に望ましい環境やキャリアパスの在り方などが熱く議論されました。

このように、公的教育、民間企業の立場から、そして経済学・社会学・心理学・教育学の知見なども踏まえ、実に様々な観点から、人材育成と教育の在り方について、各発表者・出席の皆様より積極的な意見が出され、誠に有意義なシンポジウムとなりました。

Prof.Murase Prof.Nishimura panel discussion

公開シンポジウム「人材育成と現代の教育」
2012/09/08
日時:平成24年9月8日(土)
13時30分~17時50分(開場13:20)場所:京都大学百周年時計台記念館2階 国際交流ホールⅢ共催:京都大学経済研究所/京都大学統合複雑系科学国際研究ユニット
/国際教育学会/特別推進研究「経済危機と社会インフラの複雑系分析」
プログラム(敬称略)
挨拶:13:30~13:35
西村和雄(国際教育学会会長,京都大学経済研究所特任教授)

第一部:教育と学び 13:40~14:40
進行:木村拓也(長崎大学アドミッションセンター准教授)
13:40~14:10
村瀬智子(近大姫路大学看護学部学部長)
村瀬雅俊(京都大学基礎物理学研究所准教授)
「受動的・機械的な認識から能動的・構成的認識への転換に向けて」
-司会:稲川三千代(京都大学大学院教育学研究科)
14:10~14:40
中林眞佐男(千里金蘭大学・生涯学習センター)
「実践報告:英語の小中一貫教育について」
-司会:本田卓(岩手大学教育学部准教授)

第二部:現代社会と教育 15:00~17:50
進行:村瀬智子(近大姫路大学看護学部学部長)
15:00~15:40
大森不二雄(首都大学東京大学教育センター教授)
「大阪の教育改革」
-司会:筒井勝美(英進館館長)
15:40~16:20
高田誠(朝日サステイナビリティマネイジメント代表取締役社長)
「モラル教育の社会における重要性-サステイナブル教育としてのモラル教育-」
-司会:野崎晃平(豊田自動織機常務執行役員)
16:30~17:50
パネルディスカッション「待たれる女性理系研究者の活躍」
コーディネーター:八木匡(同志社大学経済学部教授)
パネリスト:
小川理子(パナソニック(株)社会文化グループマネージャー)
藤本昌代(同志社大学社会学部教授)

09/27/12

コス島にて開催されたICNAAM2012に参加してきました

09/27/12
こんにちは、研究員の佐藤です。先生方、院生さん、そして特に事務部門のスタッフさん方にWordpressの操作をマスターしていただいて最近では当ブログのお手伝いする機会もめっきり少なくなってしまいましたが、今回国際学会に参加してきましたのでその報告をさせていただきたいと思います。当方1人で参加ということで普段のセミナー参加・開催報告などに比べると風景写真が多くなってしまうことをお許しください。

ICNAAM2012 Entrance

2012年9月19-25日,コス(ギリシャ)にて開催されたICNAAM (International Conference on Numerical Analysis and Applied Mathematics) に参加してきました。今年で10回目になるこの国際会議では数値解析,数値アルゴリズムを中心に,情報理論,制御理論などの応用数学の研究発表が行われます。少数ではありますがゲーム理論,ファイナンスなど経済分野に関するセッションも企画されています。私は20日夜に開催されたセッション “Recent Advances and Current Research on the Difference Equations and Its Applications” で報告を行いました(写真は岐阜聖徳学園大学の阿部邦美先生に撮っていただきました。ありがとうございます)。夜開催ということもあって参加者は数名という小さい規模になりましたが、その分セッション前後にゆっくりと話す機会ができました。

ICNAAM2012 Sato Presentation

個人的に興味深いと感じた研究は Kahlsruhe Institute of Technology のTobias Jahnke教授による研究。システムバイオロジーの決定論的な化学反応モデルは(ウイルスなどの)個体数が大きい場合には当てはまりがよい一方で、個体数が少ない場合には現象をうまく記述できない。確率論的なモデルでは、個体数が小さい場合にもうまく現象を記述できる一方で、反応が頻繁に起こる状況では数値解析のコストが高い。そこで Piecewise-deterministic Modelというハイブリッドモデルが開発されていて、今回の発表されたのはこのハイブリッドモデルが従来のモデルの近似になっているということを示した研究でした(間違いがありましたら教えていただけると幸いです)

ICNAAM2012 Jahnke

ヒポクラテス生誕の地として知られるコス島には(因果関係は不明ですが)、医学の神アスクレピオスを祭った神殿兼療養所のアスクレピオンがあり、現在でも遺跡の見学が可能です。学会会場からはバスで30分ほどの場所にあり、学会主催のオフィシャルツアーで案内していただきました。この日はICNAAMのセッションは午前中のみの開催ということもあり参加者とその家族の多くがツアーに参加しています。歴史や旅情を描くには私には知識も筆力も不足しておりますので例えばこちらをご覧ください → ヒポクラテスの故郷と西洋医学の源流を訪ねて

ICNAAM2012 Excursion

最後に、ボドルム(トルコ)のバザールを見物してきましたので一枚。コス島からボドルムまではフェリーでおよそ1時間ほどの距離にあります。コス島のツアーガイドさんによると買い物は「できるだけ安くしてもらうように交渉しなさい」とのこと。こちらの市場は「正札掛値なし」とはいかないようです

ICNAAM2012 Excursion

09/20/12

第7回 Market-Quality Workshop開催のお知らせ

平成24年10月4日にMarket-Quality Workshopを開催いたします.
今回は世界的に著名なAvinash K. Dixit先生(Princeton University)をお招きしております .
ご参加お待ちしております.参加費は不要です.申込は下記のフォームからお願いいたします.
■参加申し込みフォーム
Market-Quality Workshop
2012/10/4
日時:
平成24年10月4日(木) 14時30~17時00分
場所:
京都大学経済研究所 総合研究2号館 451
報告者:
佐藤健治氏(京都大学)
“An Iteratively Expansive Unimodal Map is Strong Ergodic Chaos”

大野由夏教授(北海道大学)
“International Harmonization of the Patent-Issuing Rules”

Avinash K. Dixit教授(Princeton University)
“A Real Options Perspective on the Future of the Euro”

09/20/12

Market Quality Workshop が開催されました(2012/9/19)

09/20/12
9月19日(水)に京都で特別推進研究「経済危機と社会インフラの複雑系分析」研究メンバーによる第6回Market Quality Workshopが開催されました.

 

◇矢野誠「経済危機と社会インフラの複雑系分析」

 

 

最初に特別推進研究「経済危機と社会インフラの複雑系分析」への現地調査ヒアリングが行われたことに対するコメントと今後のプロジェクトの進め方について説明がなされました.

そして,本ポータルサイトにおいて紹介されている漁業と市場の質が取りあげられ(こちらを参照してください),日本とノルウェーの水産資源の持続性に関する現状と制度の相違点が説明されました.そして日本の水産資源の持続可能な発展のために,経済学的な観点からどのような研究を行うべきかといった問題提起がなされました.

 

◇小松原崇史「家計パネル調査データでみる証券市場」

 

 

2004年度より毎年家計パネル調査が行われており, 2011年度より特別推進研究「経済危機と社会インフラの複雑系分析」もこの家計パネル調査に参加しています.(過去の記事も参照してください.)

今年度からは証券市場に対する意識調査が新たに追加されています.調査で使用した質問票と得られたデータの特徴についての解説を小松原先生にしていただきました.例えば,多くの場合に,証券市場のイメージは全ての世帯で類似しており,回答者の属性には影響を受けていない,といったことがデータからわかるようです.

またこれからの研究方針などを説明していただきました.詳細な実証結果は書籍・論文の刊行をお待ち下さい.

 

◇森大輔「国際法の経済学的分析の試み」

 

 

法律や制度といった社会インフラは経済活動を行う上で非常に重要な役割を果たしています.例えば所有権や契約法などは市場の効率性や競争上の公正性を保ち,経済が発展するために欠かすことはできません.また経済が発展するにつれて,これまで有効だった法律や制度が経済の非効率性を導き,その結果法律や制度を変更せざるを得ないという状況も生じます.このように法と経済学は相互に関係しており,経済学的な立場から法律を分析すること,法学の立場から経済を分析することは極めて重要です.

森先生は,ゲーム理論などを用いることによって国際関係法に対する経済学的観点からの解釈や評価を与えるといった研究をされています.今回は国際法の経済学的分析の試みについて紹介していただきました.国際法は,法律の中でも,経済学的分析が最も少ない分野の一つでまだまだ研究する余地があるようです.また国際社会の特徴により,国際法とは違った分析ができる可能性があると述べておられました.

 

◇太田勝造「経済危機と法: 社会調査・統計分析」

 

 

第4回Market Quality Workshop において報告された「法と災害」に引き続き(こちらを参照してください),今回は「経済危機と法」に関する研究において実施された社会調査(インターネット調査)についての報告をしていただきました.

市場と法,市場の健全性,またマネーゲームやリスクに対する選好,買いだめ行動について日本人がどのように考えているのかという観点から調査がなされ,この調査データに関する分析結果が紹介されました.その中で,法と経済の現実が乖離している場合には,経済の現実に合うように法を改めることに約6割の人が賛成しているという結果は興味深いものでした.

 

◇八木匡「理数系教育と所得格差」

 

 

経済が成長ためには法律や制度といった社会インフラだけでなく,R&Dが大きな役割を果たします.したがって日本において,R&Dを行う能力を持続的に発展させなければ経済を持続的に成長させることは難しく,日本の競争力が落ちることになるでしょう.R&Dを行う能力を高める要因の一つとして人的資本が挙げられます.この人的資本を高めるには教育,特に理数系教育が非常に重要になってきます.日本では,数学が将来役に立たない,文系学部出身者のほうが理系学部出身者よりも高所得であるという社会通念が持たれてきました.

八木先生たちの研究では,2000年からこれまで様々な調査を行い,データからこの社会通念が否定されるような結果が得られていることが報告されました.

また高卒・大卒間の賃金格差決定のメカニズムについて,マクロ経済の格差への影響,マクロ分析の教育政策への含意などが説明されました.

09/18/12

国際シンポジウム「Hokkaido & Kyoto Universities Joint International Conference on International Economics & Economic Theory」

以下のとおり,国際シンポジウム「Hokkaido & Kyoto Universities Joint International Conference on International Economics & Economic Theory」を開催いたします。
★Hokkaido-Kyoto Conf Program(PDF/114KB)
国際シンポジウム「Hokkaido & Kyoto Universities Joint International Conference on International Economics & Economic Theory」
2012/09/26-27
日時:平成24年9月26日(水)~27日(木)場所:北海道大学経済学部小会議室
プログラム
September 26
Session1:Atsushi Ohyama (Hokkaido University)
13:00~14:00
Avinash K. Dixit (Princeton University)

“A Real Options Perspective on the Future of the Euro”
14:15~15:00
Jee-Hyong Park (Seoul National University)

TBD

Session2:Jota Ishikawa (Hitotsubashi University)
15:15~16:00
Kaz Miyagiwa (Florida International University)

“Who’s Afraid of FTAs?: Free Trade Areas and World Welfare”
16:15~17:00
Larry D. Qiu (University of Hong Kong)

“Cross-Country Externalities of Trade and FDI Liberalization”
17:15~16:00
James R. Markusen (University of Colorado)

“Skill Premium and Trade Puzzles: a Solution Linking Production and Preferences”

September 27
Session3:Hajime Tomura (Hokkaido University)
9:00~9:45
Takashi Komatsubara (Kyoto University)

“Price Competition and Tacit Collusion”
10:00~10:45
Hodaka Morita (University of New South Wales)

“Knowledge Transfer and Partial Equity Ownership”
10:00~10:45
Reiko Aoki (Hitotsubashi University)

“Standards and Innovation”

Session4:Yukiko Abe (Hokkaido University)
13:30~14:30
Avinash K. Dixit (Princeton University)

“Reciprocal Insurance Among Kenyan Pastoralists”
14:45~15:30
Makoto Yano (Kyoto University)

“Chaotic Industrial Revolution Cycles and Intellectual Property Protection in an Endogenous-Exogenous Growth Model”