2012年6月17日、京都大学経済研究所三田オフィスにて、Market Quality Workshopが行われました。このワークショップで、本プロジェクト研究代表者の矢野誠教授(京都大学)、分担者の太田勝造教授(東京大学)、連携研究者の小松原崇史氏(京都大学)が報告を行いました。
矢野誠教授は「市場の質と経済危機について」と題し、2000年以降の経済危機がどのように自身の研究のモチベーション形成につながってきたか、その結果どのような研究業績がこれまでに積み上げられてきたか、さらには今後どのような方向へ研究プロジェクトの舵をきっていくか、といった事項について巨視的な視点から報告を行いました。
小松原崇史氏は、「証券市場の質に関するJHPSデータ」と題し、特に、証券市場に対する人々の主観を計測する設問の導入や、そのデータを用いて行う研究の基本的な構造について報告を行いました。
太田勝造教授は”Law and Disaster: Information Handling and Information Dissemination in Crisis”と題された最新の研究について報告を行いました。直近の災害時に人々がどの情報元にアクセスし、どのような情報を信頼したのか、といったネット調査のデータをもとにした研究であり、中には、他人がどれ程災害時にパニックを起こすと考えているか、という「愚民観」を調査した項目もありました。ゲーム理論的な災害研究の新たな方向性についてフロアとの議論が交わされました。