2012年10月19日 (金)の午後1時より、京都大学理学研究科セミナーハウスにおいて、「サンタフェ・京都 シンポジウム “複雑系科学への招待”」が、京都大学学際融合教育研究推進センター統合複雑系科学国際研究ユニットと経済研究所の共催で、下記のプログラムで開催されました。
淡路敏之 京都大学理事、そして中村佳正 学際融合教育研究推進センター長による挨拶の後、サンタフェ研究所のジェリー・サブロフ所長が、サンタフェ研究所の紹介と複雑系適応システムの研究についての講演をされました。サブロフ所長は考古学者で、マヤ文明の研究者でもあります。
続いて、京都大学の複雑系研究を担う第一線の研究者の方々より、様々な分野から最新の研究動向について発表がされました。まず物理化学分野を代表して工学系研究科の岡二三生教授が、X線CTを用いた局所変形土砂の可視化について、そして化学研究所の渡辺宏教授が高分子ポリマーの分子運動の複雑性と単純性についての研究発表を行いました。
続くセクションでは、工学系研究科の小林哲生教授が“意識”の脳内メカニズムを探る鍵としての両眼競合について、そして生態学研究センターの山内淳教授が発展的協調ゲームにおけるペイオフとダイナミクスの関係についての発表をおこないました。
最後に、総合博物館の大野照文館長が大学博物館の立場から人文科学と自然科学の融合について、そして経済研究所の三野和雄教授が世界経済におけるサンスポット・景気循環についての講演をおこないました。
複雑系研究を志す様々な専門分野の学生、研究者、そして一般の方々が多数参加され、当初のスケジュールが大幅に延びるほどの質問が寄せられ、熱気と盛況のうちにシンポジウムは終了しました。
(記事:青木隆明)
サンタフェ/京都 シンポジウム “複雑系科学への招待”
2012/10/19
日時:平成24年10月19日(金)場所:京都大学理学研究科セミナーハウス
プログラム
13:00~13:10
挨拶:
淡路 敏之 (京都大学理事)
中村 佳正(学際融合教育研究推進センター長)
座長:村瀬 雅俊(京都大学基礎物理学研究所)
13:10~13:50
ジェリー・サバロフ(Santa Fe 研究所)
“The Santa Fe Institute and the Study of Complex Adaptive Systems“
座長: 杉山 弘(京都大学大学院理学研究科)
13:55~14:25
岡 二三生(京都大学大学院工学研究科)
“Visualization of localized deformation of unsaturated sand using micro-focus X-ray CT and stability during infiltration“
14:25~14:55
渡辺 宏(京都大学化学研究所)
“Complexity and Simplicity in Polymer Dynamics“
座長: 福山 秀直(京都大学大学院医学研究科高次脳機能総合研究センター)
15:05~15:35
小林 哲生(京都大学大学院工学研究科)
“Binocular Rivalry: A key phenomenon to explore brain mechanisms of consciousness“
15:35~16:05
山内 淳(京都大学生態学研究センター)
“Relationship between payoff function and evolutionary dynamics in evolutionary cooperative game“
座長: 吉村 一良(京都大学大学院理学研究科)
16:15~16:45
大野 照文(京都大学総合博物館)
“Reunion of human and natural science: a view from university museum“
16:45~17:15
三野 和雄(京都大学経済研究所)
“Sunspot-Driven Business Cycles in a Global Economy“
★ポスター (PDF/338KB)
主催:京都大学学際融合教育研究推進センター統合複雑系科学国際研究ユニット/京都大学経済研究所